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行った。
5−6. 上部工
(1)上部コンクリート
鋼矢板打設後、工場製作したRCプレキャスト版(3.8m×8.0m×0.32m、約24t/基)を海上輪送し旋回式起重機船で据付けて工期短縮を図った。ジョイント部は、超速硬コンクリートを打設し、ジャケットとの一体化を図った。(Photo−7)

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Photo-7 Installation of the pre-caseted RC slab

(2)舖装工
プレキャスト版上は、厚さ10〜15cmのコンクリート舗装をし、陸側は工期短縮のため単位水量が著しく少ない超硬練りコンクリート(スランプ0?)を用いた転圧コンクリート舗装(RCCP)を行った。(Photo−8)舗装工標準断面をFig.-5に示す。RCCPの特長としては、以下があげられる。
・アスファルト舗装と同様の機械編成で施工でき、人力による均しがほとんど不要なため施工速度が上がる。

・3日程度の養生で供用可能で強度的にも従来のコンクリート舗装と変わらない。

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Fig-5 Typical section of the pavement

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Photo-8 RCCP work

5−7. 洗掘防止工
グラブ式浚渫船にて土砂撤去し、捨石を投入、均した後、陸上ヤードで製作された洗掘防止ブロック(コンクリート製約3.5t/個:Fig-6)を海上輪送し旋回式起重機船で据付けた。

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Fig-6 Typical protection block for scoring

5−8. その他附属工
防舷材・ジャケット用アルミニウム陽極(電気防蝕)・タラップ等はジャケット製作時に、係船環はRCプレキャスト版製作時に取付を行う等、現地での施工を極力省いた。
6. おわりに
神戸港中突堤復旧工事に、ジャケット式岸壁の設計、施工法を採用することによって、期待された現場工期の短縮、占有海面の縮小が達成された。今後、船舶の輻湊する海域、海上作業の期間、占有面積に制約のある工事での利用だけでなく、ジャケット構造の特徴を活かしてさらに大水深、大荷重条件への適用の拡大が期待される。

 

 

 

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